長いこと ThinkPad から離れられなかった理由はいくつかありますが、ひとつはキーボードの打鍵感が素晴らいこと。ライターの方に愛用者が多いのはそのためです。もう一つは、赤いキャップがトレードマークのトラックポイントがけっこう秀逸な入力デバイスで、それに慣れてしまったということもあります。ThinkPad の戦略にすっかりハマっています。
しかしながら、ThinkPad Xシリーズが X220 にモデルチェンジしたときに転機が訪れました。キーボードがアイソレーションタイプに、そして伝統の7列タイプから6列に変わったのです。ThinkPad の7列キーボードに惚れ込んでいた人間にとっては、衝撃的ともいえる大きな変更だったと思います。
Lenovo としては既ユーザも大事ですが、新規にユーザも取り込まなければなりません。UltraBook 規格への準拠や、部品の共通化によるコストダウンも考えての決断だったと思います。既存の ThinkPad ユーザだけがお客さんではないですから。
2010年11月に購入したThinkPad X201sは2年10か月もの間、酷使され満身創痍の状態でした。ちょっとしたこだわりを捨て、次のマシンを見つけなければなりません。そんな思いで、ThinkPad X230、VAIO Z、ThinkPad Helix と購入しましたが、どれもメインで使うPCとして、しっくりくるものではありませんでした。
そんな折、Let's Note のニューモデルを見て、無性に試してみたくなりました。Let's Note も根強いファンが多いノートPCです。今まではキーボードのフィーリングが感性に合わないということで、選択肢から外れていましたが、ThinkPad と比べても、軽さとバッテリー駆動時間に優位性があります。
ThinkPad X240s の購入を躊躇したのは、X230とHelixを使ってみてキーボードへの期待感が薄れたのと、Haswell対応後のバッテリー駆動時間が思いのほか短かったからです。(ThinkPad X240sとThinkPad X230の比較 - the比較)
一方で Let's Note SX の打鍵感は事前にヨドバシカメラの店頭で試してみて、なんとか行けそうだとの感触は得ていました。最終的には食わず嫌いを避ける意味でも Let's Note CF-SX3 を試すことにしました。予約注文をしておいたので、9月13日の発売当日に届きました。TninkPad 使いから見たLet's Noteのメリット・デメリットを以下に挙げてみます。
【ThinkPad X201s が優れている点】 (Let's Noteの弱点)
・ホームポジションから手を離さずにマウスカーソルを移動できるトラックポイントの存在
(Let's Note はマウス必須でしょう)
・ALTキー、Tabキー、Fnキー、CTRLキー、ファンクションキーが大きく打ちやすい
(Let's Note は英数字以外のキーが総じて小さい)
【Let's Note CF-SX3 が優れている点】 (ThinkPadの弱点)
・【軽量】バッテリーL 装着時は約1.37kg、バッテリーS 装着時は約1.16kgと軽い
・【長時間起動】バッテリーL 装着時は約30時間、バッテリーS 装着時は約15時間(※)
・購入時にバッテリーSとLが同梱されている
※バッテリーをフル充電した後でしばらくすると、インジケーターに予測時間が表示されますが、
Sで5時間30分、Lで11時間といったところ。実駆動は公称の半分位と見ておいた方がいいかもしれません。
外で利用する時間によって、バッテリーSとLを使い分けたいですね。Lなら終日の利用でも安心です。それでいて1.3kg台の重量ですから、腰への負担が少ないです。
Let's Note で問題ない
ThinkPad の入力デバイスが大好きだけど Let's Note の購入を検討している方へ!
Let's Note を1週間使っていますが、文字入力に関しては問題ありません。軽いタッチでブラインドタッチできています。Alt+Tab やファンクションキーを打つ際にキー位置を目で確認することはありますが、テキスト入力がストレスになることはありません。
ThinkPad X20と出会ってから10年来 ThinkPad を使い、VAIO Z のキーボードも ThinkPad Helix のキーボードも納得できなかった僕としては、仕事場用と外出時用にそれぞれ使いやすいマウスを用意すればいいだけです。トラックポイントと決別することさえできれば、Let's Note という選択は悪くないです。